【あれから半年】スエズ運河封鎖事故どうなったのか?

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こんなことを考えました

前回、座礁事故でモーリシャス沖の座礁事故・わかしお座礁石油流出事故について記事にしたが

思い返せば貨物船関係の座礁事故は他にもあった。スエズ運河封鎖事故だ。

石油タンカーのイラスト(正面)

こちらはどうなったのか?なんか訴訟裁判がどうのこうので記憶が止まっているがどうなったのかチョイと調べてみた。

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事故の概要

とりあえずは事故の概要について書いていこう👇

2021年スエズ運河封鎖事故

2021年スエズ運河封鎖事故(2021ねんスエズうんがふうさじこ)は、2021年3月23日の現地時間午前7時40分にスエズ運河において、日本の正栄汽船が保有し台湾の長栄海運が運用するコンテナ船「エヴァーギヴン」が座礁した上、他の船舶の通航を遮っていた事故である。これに伴い、スエズ運河での船舶運航が停止していたが、同年3月29日に運航が再開された。

現地時刻の2021年3月23日 7:40、エヴァーギヴン号は砂嵐および、最大で秒速20メートル(m/s)の強風に煽られて、進行方向から外れた。船は運河の岸壁に座礁して動けなくなって運河を塞いでおり、他の船の航行を完全に妨げていた

座礁の翌日までには他に少なくとも15隻の船舶が停泊しており、事態の解決を待って少なくとも237隻が順番を待っていた

3月29日、船頭が約20 m、船尾が約50 m移動したことが正栄汽船によって発表された。またスエズ運河庁長官は、エヴァーギヴン号が岸から102 m離れたと発表した。

エヴァーギヴン号、離礁後

その後スエズ運河庁はエヴァーギヴン号が離礁したことを公表した。これにより現地時間18時(日本時間30日1時)にスエズ運河の通航が再開され、エヴァーギヴン号は運河上に存在するグレートビター湖において点検を受けた。

通航再開の時点において、この事故の影響で停止していた船舶は累計422隻であるとし、この解決には3日ほどかかると表明した。その後4月3日に全船舶が通過を完了し、通常の状態に復帰したとスエズ運河庁は発表した。

訴訟関係

6月23日、船を所有する正栄汽船側とスエズ運河庁側との賠償金をめぐる交渉が合意に達した、と正栄汽船に保険を提供していたイギリス保険事業者が発表した。合意した金額は明らかにしていない。

7月7日、エジプトのイスマイリアで双方の代理人が合意文書に署名し、エヴァーギヴン号は航行を再開した。運河庁は作業費用のほか運河閉鎖にともなう通過料収入の損失、風評被害などへの賠償として当初9億1600万ドルを請求し、のちに5億5000万ドルに減額し、正栄汽船は1億5000万ドルが妥当と主張して対立した。運河庁が地元裁判所に提訴し、エヴァーギヴン号を差し押さえていた

参考:2021年スエズ運河封鎖事故 – Wikipedia

と言う感じで、事故についてはウィキペディアにだいたいの事は書いてあった。

事故のあらすじを要約すると

日本の企業が所有する貨物船が2021年3月23日に、スエズ運河で台風みたいな鬼のように強烈な風に煽られ🌬🚢、こんな感じで👇陸地に乗り上げちゃった。

その結果、普段たくさんの船が行き来しているスエズ運河が✋通れなくなり、ココを通ろうとしていた船が何日も順番待ちをしたところ、ようやく通れるようになった7日後に422隻も順番待ちする超絶長い大行列ができちゃったという事です。🚢⛴🛥🛳🚢⛴🚢🚢

スエズ運河の南に所在するスエズ湾で見られた船舶の渋滞。

何故高い?スエズ運河の通行料

 スエズ運河の通航料は船の「重さ」「種類」「リスク」に応じて計算されるようで、液化天然ガスを運ぶ場合はリスクが高いので、5000万ほどに高騰するらしく、

通行料はエヴァーギヴン号だと4000万くらいらしい。

<strong>ワシ</strong>
ワシ

運河を通行するだけで何故ここまで鬼のように高いのか??

中東とアラビア海とヨーロッパを結ぶ航路で、スエズ運河以外をたどるとなれば、南アフリカの喜望峰を進む以外にありません。

でも、アラビア海とロンドンを往復する場合、⛰喜望峰を通ると2万1000kmですが、スエズ運河を通ると1万2000kmですむ

 喜望峰だと、タンカーで行くと10日くらい余計に時間がかかってしまうので、タンカーは、🛢燃料代や👷‍♂️👷‍♀️人件費を考えると、1日1000万円くらい💸コストがかかります。

そうすると10日で1億円ほど。となるとスエズ運河に5000万円の通航料を払ったほうが、お金も時間も “お得” になる。と言うワケだ。

この巨額の通行料はエジプトのGDPの2.5%を占めていて、超絶重要な国益💰となっているわけです。

参考:座礁事故でタンカーが立ち往生「スエズ運河」1回の通行料は4000万円! | Smart FLASH/スマフラ[光文社週刊誌] (smart-flash.jp)

税関のイラスト(コンテナ船)

損害賠償協議の終結

で、上で説明したようにスエズ運河はエジプトの重要な国益になっている訳なので

7日間近く封鎖されると本来であればもっと多くの船が通行し、その分の通行料を得られたはずなのに事故によって利益が得られず、損害が出たという事でエヴァーギヴン号を差し押さえていた。

そんなこんなでエジプトのスエズ運河庁は

スエズ運河庁
スエズ運河庁

おい、何してくれんじゃ、 約9億1,600万ドルの賠償せんかいっ!!

スエズ運河庁
スエズ運河庁

しかたねーな、 約6億ドルで大目に見てやるわ

船主側
船主側

約1億5,000万ドルでどうでしょうか??

こんな感じで双方ともに主張していました。

海外企業との対立のイラスト

最終的に賠償金額や合意条件など詳細は公表されていませんが、なんとか訴訟は解決しスエズ運河座礁事故の損害賠償協議が終結しました。

ちなみに、スエズ運河は2021年8月18日18時時点でも、ギチギチに船が密集してます。👇

<strong>ワシ</strong>
ワシ

スエズ運河は写真で見る限り対面通行する幅くらしかありませんが、よくこれだけの船が通れますね~

何はともあれ、騒動は解決

物資が運べず、原油価格が若干上昇したり、賠償請求額が不当に高いなど多少バタつきはしましたが、あれから約3か月、めでたく正常に運河は運営されています。🚢💨

様々な問題に直面しながらも、現地の様々な人たちの協力もあって封鎖事故は何とか解決することができてよかったです。

握手をしているビジネスマンのイラスト「日本人と外国人」

今回みたいに自然災害系の事故はしょうがないですが、モーリシャス座礁事故のように不注意で起きる事故は誰にとっても勘弁してほしいですね・・・

損害賠償などで国交関係が悪化したり、後になって問題が尾を引いたりすることも無く、交渉が合意まで進み終結できたのは何よりです。

今は半導体不足という別の問題にぶつかっていますが、早く解決されることを願います。

ではまた❗😃👍

半導体不足についてはこちらで解説してます。👇

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